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世界で最もビジネスに影響力のあるThinkers50のおすすめ本を紹介する

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 2年に1度恒例のThinkers50。世界で最もビジネスに影響のある人が50人選ばれている。その2017年度版が公開されていた。面白くビジネスに参考になる本を書いてる人が多いので、上位20名を著作と共に振り返ってみたい。今年読む本の参考にもなるだろう。

1位 Roger Martin(ロジャー・マーティン)

 Roger Martinは「デザインシンキングのエキスパート」と呼ばれている人物だ。2017年版で初めて1位に輝いた。Roger Martinは様々な会社のCEOの戦略アドバイザーとして活躍している。2017年には「Creating Great Choices」という本を出している。この本は2007年のベストセラー「The Opposable Mindインテグレーティブ・シンキング)」のフォローアップになっているそうだ。まだ翻訳文は出ていないみたいなので、英語でがんばって読んでみるか・・・(翻訳をよろしくおねがいします)

Creating Great Choices: A Leader's Guide to Integrative Thinking

Creating Great Choices: A Leader's Guide to Integrative Thinking

 

2位 Don Tapscott(ドン・タプスコット)

 今話題のBitcoinやEthereumなどの仮想通貨の技術基盤となっているブロックチェーン。このブロックチェーン技術に注目が集まっている。その解説書として有名な「ブロックチェーン・レボリューション」を書いたのがドン・タプスコットだ。

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

3位 Clayton Christensen(クレイトン・クリステンセン)

 クリステンセンはハーバードビジネススクールでは一番有名だと言っても過言ではないだろう。彼を有名にしたのは「イノベーションのジレンマ」だ。スティーブ・ジョブズが愛読し、ジェフ・ベゾスが従業員に必ず読ませる本だ。2017年には「ジョブ理論」が翻訳されて話題になった。

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶブックランキング第3位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶブックランキング第3位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

  • 作者: クレイトン M クリステンセン,タディホール,カレンディロン,デイビッド S ダンカン,依田光江
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本
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4位 W. Chan Kim & Renée Mauborgne(W・チャン・キム、 レネ・モボルニュ)

 「ブルー・オーシャン戦略」は最も有名な戦略の名前ではないだろうか。2015年には新版が翻訳されており、実践的な内容が追加された。

[新版]ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する (Harvard Business Review Press)

[新版]ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する (Harvard Business Review Press)

5位 Michael Porter(マイケル・ポーター)

 戦略論を語る上で外せないのはマイケル・ポーターだろう。競争優位や、ファイブフォースなどはとても有名だろう。「競争戦略論()()」を読むのは大変なのでエッセンシャル版を読もう。

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

  • 作者: ジョアン・マグレッタ,マイケル・ポーター(協力),櫻井祐子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/09/21
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 7回
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6位 Marshall Goldsmith(マーシャル・ゴールドスミス)

 マーシャル・ゴールドスミスはコーチングで有名だ。150人を超えるCEOが彼の顧客だ。日本ではコーチングという言葉があまり一般的ではないが、アメリカでは盛んに行われているそうだ。そのコーチングの手法は「トリガー 自分を変えるコーチングの極意」に書かれている。アクティブ・クエスチョンという手法を教えてくれる。

トリガー 自分を変えるコーチングの極意

トリガー 自分を変えるコーチングの極意

  • 作者: マーシャル・ゴールドスミス,マーク・ライター,斎藤聖美
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2016/01/26
  • メディア: 単行本
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7位 Alexander Osterwalder and Yves Pigneur(アレックス・オスターワルダー、 イヴ・ピニュール)

 横長のビジネスモデルキャンパスの本というと「ビジネスモデル・ジェネレーション 」を思い浮かべるだろう。この本の著者の2人だ。ビジネスモデルキャンパスはビジネスのアイディアや戦略を簡単に視覚化することができる。綺麗なパワポを時間をかけて作るよりも、素早く作れるビジネスモデルキャンバスにしませんか。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

  • 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール,小山龍介
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 大型本
  • 購入: 29人 クリック: 473回
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8位 Adam Grant(アダム・グラント)

 若き天才といえばアダム・グラントのことだろう。最年少の28歳で終身雇用教授となっている。独特のセンスの持ち主で、世の中の不思議さや、人間の面白さを、様々な論文とデータをもとに解説してくれる。「GIVE & TAKE」や「ORIGINALS」はとても面白い。僕の好きな作家のうちの1人だ。

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

9位 Richard Aveni(リチャード・A.ダベニー)

   「過当競争(ハイパーコンペティション:Hypercompetition)」という言葉を生み出したのはリチャード・A.ダベニーだ。日本語で翻訳されているのは「脱「コモディティ化」の競争戦略」だ。あまり知らなかった・・・

脱「コモディティ化」の競争戦略

脱「コモディティ化」の競争戦略

10位 Rita McGrath(リタ マグレイス)

 仮説思考計画法を解説しているのが「アントレプレナーの戦略思考技術」を書いたリタ・マグレイスだ。クリステンセンの「ジョブ理論」でも取り上げられているらしい。知らなかったなぁ・・・。

アントレプレナーの戦略思考技術―不確実性をビジネスチャンスに変える

アントレプレナーの戦略思考技術―不確実性をビジネスチャンスに変える

  • 作者: リタマグレイス,イアンマクミラン,Rita McGrath,Ian MacMillan,大江建,社内起業研究会
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 52回
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11位 Daniel Pink(ダニエルピンク)

 ダニエルピンクの本は何冊か翻訳されているし、TEDでも有名だろう。「ハイ・コンセプト」や「モチベーション3.0」などが有名で、大前研一が翻訳している。「フリーエージェント社会の到来」などもそうだが時代を先取りするのがうまい。次回作「When」ではタイミングを科学する。いつ何をやるのがベストなのか、それを教えてくれる本だそうだ。楽しみである。

WHEN: THE SCIENTIFIC EXP

WHEN: THE SCIENTIFIC EXP

12位 Erik Brynjolfsson & Andrew McAfee(エリック・ブリニョルフソン、 アンドリュー・マカフィー)

 まだ今のようにAIが進化する前に、機械が人間の仕事を奪っていくのではないかという本「機械との競争」を書いた2人だ。AIの進化が、凄いスピードで進んでいく今、もう一度彼らの著作を読むのは参考になるだろう。「ザ・セカンド・マシン・エイジ」という本文出版されており、人工知能といかに向き合うべきかという内容が語られている。もうすぐそこに来た未来の話ではないので、真面目に考え始めなければいけない。

ザ・セカンド・マシン・エイジ

ザ・セカンド・マシン・エイジ

  • 作者: エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson),アンドリュー・マカフィー(Andrew McAfee),村井章子
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: 単行本
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13位 Amy Edmondson(エイミー・C・エドモンドソン)

   チームマネージメントはどうしたらいいのだろうか。どのようにリーダーシップを発揮し、チームを作り、組織的に学習すればよいのだろう。「チームが機能するとはどういうことか」では、チーミングという概念が大切になってくる。グローバルで、インターネットによっていつでもどこでも繋がれる時代にどのようにチームを作ればいいのだろうか。チームを作るだけでなく、チームが学習し実行する力を備えたチームの作り方とは。

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

14位 Steve Blank(スティーブン・G・ブランク)

 「アントレプレナーの教科書」でおなじみのスティーブン・ブランク。リーンスタートアップの前身となり、0→1のビジネスの作り方をまとめあげた。スタートアップの作り方をステップバイステップで詳細に解説しているところが新しい。戦略本よりもHow to本のようになっており、読みやすい。

アントレプレナーの教科書[新装版]

アントレプレナーの教科書[新装版]

15位 Linda Hill(リンダ・ヒル)

 イノベーションのためにはどのようなリーダーが必要だろうか。ハーバードビジネススクールのリーダーシップ論と言えばリンダ・ヒルだ。「ハーバード流 逆転のリーダーシップ」では羊飼いになることを勧める。羊飼いとは「背後から指揮する」タイプのリーダーシップだ。今までリーダーといえば、先頭に立って道を示すことが重要だった。しかし、確実性の高い創造的な活動においては、メンバーの才能・独創性を10分に発揮させる必要がある。トップダウンのリーダーシップではなく、ボトムアップを促すようなリーダーシップが必要なのだ。

ハーバード流 逆転のリーダーシップ

ハーバード流 逆転のリーダーシップ

  • 作者: リンダ・A・ヒル,グレッグ・ブランドー,エミリー・トゥルーラブ,ケント・ラインバック,黒輪篤嗣
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2015/04/23
  • メディア: 単行本
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16位 Eric Ries(エリック・リース)

 リーン・スタートアップの生みの親といえばエリックリースだ。「リーン・スタートアップ」は大流行した。不確実性の高い状況において、どのように新規事業を作るのか。リーン・サイクルや革新会計などの新しい考え方を使う。最新書「The Startup Way」では、その考え方を大企業に当てはめられるのかを実践しているレポートだ。

The Startup Way: How Modern Companies Use Entrepreneurial Management to Transform Culture and Drive Long-Term Growth

The Startup Way: How Modern Companies Use Entrepreneurial Management to Transform Culture and Drive Long-Term Growth

17位 Pankaj Ghemawat(パンカジ・ゲマワット)

 世界はグローバリゼーションによってフラット化している。ではビジネスでも、同じような商品を売ればよいのだろうか。それではうまくいかないことがわかるだろう。文化的な背景や経済などが違うからだ。それを解説した本が「コークの味は国ごとに違うべきか」だ。

コークの味は国ごとに違うべきか

コークの味は国ごとに違うべきか

18位 Simon Sinek(サイモン・シネック)

 サイモンシネックはTEDで一番有名な人物なのではないだろうか。「WHYから始めよ!」では、アップルやスタバなどの例を取り上げ、なぜこれらの企業が人々を魅了するのかを解説している。これらの企業はWhyからビジョンを語っているのだ。ゴールデンサークルは分かりやすくて使いやすい。広告を作る時やプレゼンをする時などには参考にしよう。

WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う

WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う

19位 Richard Florida(リチャード・フロリダ)

 クリエイティヴな人たちが注目浴びる時代が来る。ブロガーやYouTuberなどはわかりやすい例だろう。そのような人たちが注目され、経済発展にとって大切であると説いたのがリチャード・フロリダだ。「新 クリエイティブ資本論」では大胆にも、クリエイティブな才能が経済と都市の主役になると主張している。

新 クリエイティブ資本論---才能が経済と都市の主役となる

新 クリエイティブ資本論---才能が経済と都市の主役となる

20位 Herminia Ibarra(ハーミニア・イバーラ)

 リーダーとはどのようなことをすべきなのだろうか。「こうあるべき」のようなべき論はたくさん見かける。しかし大切なのは行動だ。そんな行動指針を教えてくれるのが「誰もがリーダーになれる特別授業」だ。行動することで、リーダーに必要な能力はついてくると教えてくれる。

誰もがリーダーになれる特別授業 (Harvard Business Review Press)

誰もがリーダーになれる特別授業 (Harvard Business Review Press)

  • 作者: ハーミニア・イバーラ,河野英太郎,新井宏征
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2015/09/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まとめ

 上位20人でも、詳しく知っていたのは半分ぐらいだった。まだまだ面白いことを考えている人がいることを知るとワクワクする。本を買う時の参考にしようと思った。20位以下のランキングはこちらから見ることができる。