「腸内細菌が免疫に関わっていた!」という衝撃の事実を前回の記事でお伝えしました
では、腸内細菌だけで処理しきれなかったウィルスや細菌はどうやって、体内で処理されてるのでしょうか?人が装備している免疫の仕組みを簡単にみていきたいと思います
すこしマニアックな話が出てきますが、覚えてほしい単語は「サイトカイン」と「活性酸素」です。
まずはマクロファージ
腸内細菌で殺せなかったウィルスや細菌は、まずはマクロファージが食べてくれます。
パクパクと食べて「なんかやべーの体内にいるな」と思ったら、緊急速報を発信し、仲間を呼び寄せます。
この緊急速報に使われるのが「サイトカイン」という伝達物質です。これによって、様々な免疫の仕組みを持つリンパ球を呼び寄せます。
真っ先に到着するのは好中球
マクロファージが「やべー」と思ってサイトカインを発生すると、真っ先に飛んで来るのが好中球です
なかなか攻撃的なリンパ球の一種でして、「活性酸素」によってウィルスや細菌を攻撃します。
この活性酸素を使った攻撃は、悪いウィルスや細菌だけを殺すわけではなく、どんな細菌にも効果がある攻撃です。手当たり次第な攻撃なわけです。
賢い免疫部隊
マクロファージがパクパク食べたり、好中球の活性酸素無差別攻撃では非効率ですし、全部の悪い菌をやっつけるには悪影響もあります
そこで、すこし対応に時間はかかるものの賢い免疫反応があります。それがB細胞やT細胞などが行う抗体による免疫反応です。
ウィルスや細菌にピッタリっとフィットした抗体を大量生産することにより、特異的な攻撃を仕掛けることができます。賢いですね!
ピッタリとフィットした抗体を探したり、それを作るのに少し時間がかかるのが問題ですが、マクロファージや好中球で倒しきれない繁殖したウィルスや細菌を倒すには必要です。
獲得免疫
これらの賢い免疫部隊のB細胞やT細胞は、今倒したウィルスや細菌を覚えておいて、次に来たときにはすぐに対応できるように学習します。賢いですね。
これを獲得免疫と呼びます。この仕組は科学的にまだちゃんとわかってないみたいです。免疫って奥が深いですね
炎症とは?
さて、炎症とは、免疫反応を効率的に行うための発熱や、免疫反応が過剰なために生じる止まらない鼻水などの事を指します
他にもアレルギー症状も、過剰な免疫が引き起こす症状です
炎症という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、免疫機構が頑張りすぎて、みなさんが「やだなぁ」と思うような状態になることだと認識していただければと思います
免疫と密接に関係していると認識してもらえればオッケーです!
サイトカインと活性酸素
免疫の仕組みを簡単に紹介しましたが、覚えておきたいキーワードは「サイトカイン」と「活性酸素」です
サイトカインは免疫を活性化させるための伝達物質でした。これが放出されると免疫機構が頑張ってくれるわけですね!
活性酸素は無差別攻撃に使われる武器でした。細胞を殺すことができます。使い方によってはとても便利なものですが、自分の細胞も殺してしまう可能性がある危険な物質です。
この2つを、ぜひ覚えておいてください
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