グルテンフリーダイエットが流行っている。アメリカではジョコビッチの食事本から、グルテンフリーが大流行したようだ。アメリカを始めヨーロッパなどの先進国のレストランなどでは、グルテンフリー表記が当たり前になってきている。グルテンフリーのビールも人気だ。最近は、日本でもグルテンフリーという表示が目立つようになってきた。
グルテンフリー食品は本当に健康的なのであろうか。驚くべくことに、研究者は「セリアック病じゃない人はグルテンを避けないほうがいい」と言っている[1]。グルテンフリーの食事をしている人は、心臓病のリスクが高まる[2]。
全粒穀物のメリット
まず、全粒穀物を摂取しなくなることによる影響がある。全粒穀物は心臓疾患のリスクを下げることが知られているのだ。また、全粒穀物は免疫機能を改善する可能性もあることがわかっている[3]。これは全粒穀物が腸内環境を改善するためだ。
グルテンの悪影響よりも、全粒穀物の良い影響が上回るのだ。
代替品の問題点
小麦の代替品にも問題がある。よく使われるのは米粉だ。しかし、代替された米粉により、ヒ素や水銀などの有害金属の体内蓄積量が増えるという報告がある[4]。また代替品に使われる多くは、精製されすぎていて栄養素が不足していることも問題としてあげられている。
グルテンは悪者じゃなかった?
一方で、小麦がもたらす体調不良も存在することは確かである。今までは、小麦のグルテンが原因だと考えられ「グルテン不耐症」という名前で呼ばれてきた。しかし、最近の研究では、グルテン自体が原因ではない可能性が高くなってきている[5]。しかし、何が原因かは詳しくはわかっていない。
現場のパン屋さん
現場の意見を聞いてみよう。パン屋さんは「ポストハーベスト農薬が原因だ」という[6]。パン屋さんは、グルテン不耐症に似た症状を引き起こす人が多い。しかし、材料を国産の小麦に変えると治る人が多いそうだ。毎日、小麦に触れているパン屋さんが正しいのかもしれない。こちらも研究を待ちたい。
精製された白
では食事をする時に、なにを気をつけたらよいか。それは、精製されすぎているものを避けることだ。紹介した研究でも、わざわざ「全粒穀物」と言っている。精製された白い小麦を食べたほうがいいとは言ってない。
トランス脂肪酸の危険性
特に市販のパンは危険だ。マーガリンが入ってる可能性が高い。原料を見て、マーガリンやショートニングという言葉を見つけたら買わない方がいい。これらはトランス脂肪酸と呼ばれていて、摂取しすぎると心臓病のリスクを高める。アメリカでは危険視されており、全撤廃に向けて動いている[7]。パンを食べたければ、信頼できる街のパン屋さんで買う方がいい。少し高くても、そうした方が健康にはずっといい。白パンではなくて、全粒粉のパンを選ぼう。
小麦をどうするべきか
僕は、小麦の悪影響を受けるうちの一人だ。ジョコビッチの食事本を読んで、グルテンフリーを実践し始めた。アレルギー性鼻炎だったのが、ピタリと治まった。長年、苦しめられてきたので、これほど嬉しいことはない。原因はよくわからないが、治ったのだ。そして小麦を大量に食べると、鼻がムズムズするので、小麦の何かが悪いのだろう。だから、僕は小麦は食べないつもりだ。
そして、グルテンフリーの代替品は食べない。わざわざグルテンフリーのパスタを食べる必要なない。むしろ、グルテンフリー食品のほうが問題が多いのだ。グルテンフリーはファッションではない。ここを勘違いしてはいけない。
腸内環境の悪化が原因か
アレルギーは、免疫機構にバグが起こることが原因だ。砂糖を取りすぎると、腸内環境が悪化することがわかっている[8]。精製された小麦も同じような悪影響があることと考えることも可能だ。精製された小麦はGI値がとびっきり高いのだ。腸内環境の悪化が、免疫機能にバグを起こす可能性は非常に高い。これは”わざわざの”グルテンフリー食品も同様だ。
複雑な生命活動
食品が体に与える影響を調べるのは難しい。体のシステムが複雑すぎるのだ。さらに腸内細菌が問題をややこしくする。食べ物が健康に与える効果が、腸内環境に依存することがわかってきている。小麦においても、逆に精製された小麦の方が良い人がいる可能性も示唆されている[9]。腸内細菌の違いで、今までの通説を覆してしまう可能性も出てきた。一概に「〇〇が健康によい!」といえる状況ではなくなってきている。
グルテンフリーチャレンジ
情報を鵜呑みにせず、自分なりに理解した上で、自分の身体で実験してみることが重要だ。グルテンフリーをチャレンジする人は以下を守って実践してみて欲しい。
- 小麦食品は避ける
- グルテンフリー食品を食べない
代替するのは諦めて、小麦を食べないことにしよう。これが正しいグルテンフリーだ。米や、サツマイモ・じゃがいもなどを食べよう。
おまけ
ジョコビッチのグルテンフリーを大流行させた本は、一読の価値あり。

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