思いついたことをメモにとるのは、大切だ。良いアイディアはとつぜん頭の中で思いつく。「こんないいアイディアを忘れるはずがない!」と思って、大抵の人はメモしない。しかし悲しいかな、数分後にはものの見事に頭の中にはない。
忘れがちな学者達
このことに気づいた人は多く、その人達はメモ魔だ。有名なのはレオナルド・ダ・ビンチだ。彼の天才的なノートには目を見張るものがある。そのノートに憧れたエジソンももちろんメモ魔だった。アインシュタインもまたメモ魔だった。デート中のボートの上で、風が吹いてないときはノートを広げていた。
研究者が書いたエッセイにもメモの重要性を見つけることができる。例えば、知的トレーニングの技術には「メモをとることは執筆の第一歩だ」とにも書いてある。他にも思考の整理学では、手帖にメモをとることの重要性を解いている。また、知的生産の技術では、京大式カードを持ち歩いてメモをとることを推奨している。このように、メモをとることは研究において重要な役割を果たしている。
われわれのタンジブル
さて、紙とペンによる「手書き」によるメモが重要なのは十分承知だ。キーボードでのタイピングより自由度も高く、脳への粘着率も高い。しかし、仕事柄パソコンの前にずっといるし、手帖よりもスマホのほうが手に取りやすい場所にある。紙とペンを用意するほうが、手間になることが多い。実際、紙とペンでのメモを実践していたのだが、どうにも全部を拾えていない感覚があった。紙に書くことの心理的・物理的コストの高さから「まぁいいか」と思ってしまっていたのである。どうにも面倒くさがりの性格は治せなさそうなので、手に馴染むキーボードやスマホでの解決策を試みたのである。
象使いになる
さて、パソコンでメモをとる方法はたくさんある。アプリもいろいろリリースされている。例えばDayOneは日記風のメモに特化したアプリだ。以前に使っていたことがあるが、メモのためだけにDayOneを使うという習慣がつけられず使うのを諦めてしまった。そこで、普段使い慣れているサービスでメモを構成するのが良いだろうと考えた。
僕は記録にはEvernoteを使っている。WebクリップやPDFなどもEvernoteに放り込んでいる。また、読書メモなどもEvernoteに書き込んでいる。文章を書いたり、写真を貼り付けたりもしている。使いづらいところもあるのだが、自由度は高く、なんだかんだで便利だ。
象に手綱を求めてはいけない
Evernoteに思いついたことをすぐに書こうと思うと、少々厄介だ。Evernoteはノートという方式を取っているため、メモを次々と追加していく使い方には最適化されてない。メモ用のノートを選んで、メモを追記するのは手間がかかる。できるだけ早くメモだけがしたい。それもEvernoteに。
Evernoteにはクイックノートというメニューバーに常駐しており、ショートカットで一発で呼び出せるノートもあるのだが、これもそれほど便利ではない。クイックノートは、メモを保存するとノートができてしまいノートだらけになってしまうという問題を抱えている。できればノートは「日付」のタイトルで、メモがその中にたくさん入っているという状況が良い。
スマートに放り込む
では、どうするか。Alfred 3のワークフローを使って、AppleScriptで頑張ればいい。幸いにも検索すると、先人がおられたので、コードを拝借した[1]。こちらのコードをフォークし、必要のない部分は削除し、デザインをPostEver2にあわせた形で書き換えた[2]。
出来上がったのがこちらだ。
Evernoteにはこのように表示される。リンクへのコメントも見やすく整形される。
ポケットの中の手綱
さて、iPhoneには似たようなアプリがある。それが先程紹介したPostEver2だ。有料アプリではあるが、とても便利だ。問題は、少々古いアプリのため、デバイスの大きさにデザインがフレキシブルに対応されてないことである。僕はPlusを使っているので、キーボードが無駄にでかく引く伸ばされてしまう(作り直したい)。それでも、指定しておいたノートブックにある、日付のノートに対して、メモを追記してくれる機能は、とても便利なのだ。
乗り心地は良好
Alfred 3のワークフローはこちらからダウンロードすると使うことができる。デフォルトの設定では「日誌」というノートブックに「日付」のノートが作成され、そこにメモが追記されるようになっている。他のノートブックにメモを作りたい場合は、ワークフローの設定からRun NSAppleScript
の中に書いてある「日誌」の部分を好きな文字列に変えてもらえれば良い。そのノートブックは先にEvernoteで作っておく必要がある。また。Alfred 3はワークフローを使うために、Power Packを購入する必要がある。
すでに一ヶ月ほど、このメモ環境でメモを取っているが、なかなか快適である。
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