10日間のヴィパッサナー瞑想合宿@千葉に参加させていただいて、帰ってきたわけだが、10日間どんな生活をするのだろうか。今回は10日間の生活を紹介したい。インターネットで調べてみても、その内容はベールに包まれていて、詳細を探すことが難しい。予想以上に情報がなく、僕も行く前はとても心配だった。ひたすら調べ尽くしたのだが、本当に情報がない。
神秘のベールの作り方
これは、合宿中に電子機器も使えなければ、紙とペンなどでメモすることもできないからであろう。参加にあたり、ここでの経験を外に公開してはならないといった決まりもないにも関わらずにである(終わった後は写真をとってよかった。むしろ地域の人々に対して見学のためにオープンデイを儲けていたりと知ってもらおうという努力は感じる。がインターネットには情報がない笑)。またゴエンカ氏の講話の中でも、この体験をさまざまな人に伝えて、みんながこの合宿に参加し、効果を享受できるようにしてください、と言っている。それでも、やや神秘性があるためか、外に情報を公開することをためらってる人が多いと思われる。ちなみに、瞑想の指導はしてはいけないとは言われる。それは、参加者がこの瞑想法について深く理解してないためだという注意書き付きで言われる。なので、理解しきってしまえば問題はないと思われる(ゴエンカ氏の名の下で瞑想コースをやるには、指導者用のコースをうけたりしないといけない)。むしろ、僕はこの瞑想法の利益を、できるだけ多くの人に感じてほしいので、情報は公開していくべきだ考えている。それに10日参加することは難しい人もいるだろうから、この敷居も下げたほうが良いと感じている。
都会の喧騒からの脱却
まずは場所についてである。僕が行ったのは千葉のセンターである。交通の便は悪いが、思ったよりも遠くはない。実際には、JRの駅からタクシーで3300円であった。乗車20〜30分程度である。またタクシーを使わなくても、駅からはバスと、その最寄りのバス停からはボランティアの方が送迎の車を出してくれている。行きはバスと送迎の車を利用させてもらい、帰りはタクシーを使った(僕はバスが大の苦手である。とても酔う。酔った。しかも、運転手のおっちゃんが「田舎のバスは、船みたいに揺れるからね」とアナウンスし、それに意識が取られ、さらに酔った笑。ほかにもいろいろと面白い運転手さんだった)。バスは460円である。両替が1万円ができないので、迷惑にならないように千円札を用意しておこう(実際に運転手さんがポケットマネーでなんとかしていたようである)。ちなみにバスは1時間に1本も走っていない。なので、電車で行くときは早く行っても意味はない。しかし、電車が遅れると困るので少し早めに行くことをオススメする(僕は30分前ぐらいについたので、近くのカフェでのんびりしていた)。僕は東京の都心部に住んでいるのだが、センターに着くまで、3時間ぐらいだっただろうか。初日は13時頃に家を出発して、16時には到着していたのではないだろうかと思う(ちなみに、到着してから18時頃まではやることがないため、めっちゃ暇である。このときはすでに電子機器などはすべて預けてしまっている)。
(バス待ちのコーヒー休憩)
山を買う
場所の雰囲気は山である。山の敷地をドーンと全部買っており、そこに施設を徐々に建設している(施設もボランティアによる手作りだそうだ。また寄付金が集まり次第、施設は良くなっていっている。以前はテントしかなかったのが、宿舎ができた。それもここ数年の話である)。土地は東京ドーム3個分ほどの大きさだ。結構広い。周りは山に囲まれていて、外の情報が全く入ってこない(ディズニーランドみたいだ)。自然に囲まれていて、虫はたくさんいる(バッタをこんなにたくさん見たのは久しぶりだ。それにカマキリも久しぶりに見た。あとはカエルが多かった。蛇も二回ほど遭遇した。イノシシもたまに出るみたいだ。ゴキブリは一回だけ。小さい虫は多数。不思議なことに蚊には噛まれなかった。9月の終わりだからだろうか)。
(キッチンの近くから撮影。このように施設ごとはやや距離がある)
憩いの場所
宿泊施設は、テント・A塔・B塔と3つある。今回はテントの利用はなかったようだ。人数が多ければ使われることもあるのだそうだ。一番快適なのは、B塔で個室のような部屋が用意されている。また瞑想するための場所も用意されている。カプセルホテルよりも快適であろう。こちらの部屋には、コース経験のある人や、年齢が高い人から順に采配される。A塔はお世辞にも良い環境とは言い難いが、テントよりもベッドがあるだけマシだろう。ずら~っとベッドが並んでいるだけの宿泊施設である。個人を仕切るものはないので、気になる人は気になるかもしれない(6つのベッドだけカーテンでしきれるようになっている)。ベッドは18台ほど並んでおり、共同生活そのものである。A塔よりもテントを好む人もいるそうだ。テントであれば、一人で寝ることが出来るからである。このあたりは好みの問題だろう。真夏であればエアコンがないので、テントは辛いのではないかと思う(ただ山の中なので、朝も夜も涼しかった。むしろ寒いぐらいであった。冬の寒さのほうが体に堪えるかもしれない)。僕はA塔だったのだが、思ったより気にならなかった。他人のいびきがうるさければ、持っていった耳栓を使えば問題なかった(ちなみに自分のいびきがうるさいと知っていれば、先に伝えておいたほうがいいかもしれない。迷惑にならないように、部屋を変えてくれたりする。実際に僕の参加中もいびきがうるさい人は、B塔のほうへ移っていった)。
(こちらはテント。三台ほど設置してあったが、だれも使ってなかった。蛇がいた)
(B塔の個室。カーテンが閉められる。右に見える青い座布団は、瞑想用である)
(A塔のベッド。僕はこちらに宿泊した。プライベートスペースはない。となりも結構近い)
水がある地帯
トイレやシャワーは、宿泊施設から離れた場所に設置されている。外に出て、徒歩数十秒ぐらいの距離である(雨が降っている日は移動がたいへん。道もぬかるんでおり、大雨であれば長靴が必要である)。男性の方がトイレやシャワーの施設が近く、女性の方はやや遠いように感じた。それでも少しの差であり、数十秒ぐらいの距離にはある。トイレはウォッシュレットで快適である。こんな山奥でウォッシュレットが使えるとは思っていなかった。風呂はなく、シャワーのみの利用ができる(人数が多いため、ゆっくり風呂に浸かっている時間はない)。また洗濯機も置いてあるが使えるのは脱水のみである。これも時間的な制約のためであろう。洗濯槽が置いてあり、水を張って手洗いをする。洗剤は自分で持っていって使うこともできるが、ココナッツ洗剤が備え付けてある(ちなみに施設で使われている洗剤などの生活用品は環境に配慮したものが多い。最後の大掃除も重曹などを使い行なった)。基本的なものは揃っており、自分のお気に入りのものを使いたいという欲求がなければ持っていく必要性はない(忘れても焦らなくても大丈夫)。
(シャワー・トイレなどが集まっている施設)
(トイレはウォッシュレット)
(洗面所。ドライヤーも2つ置いてあった)
(脱水機。脱水機能のみ使える)
生きるために喰らう
キッチンはさらに遠くに設置されている。宿泊施設から1分かかるか、かからないかぐらいの距離だ。キッチンへの道のほうが、雨が降るとぬかるんでしまうので長靴は必須だ。サンダルなどで移動すると足が濡れてしまい、施設の中を汚してしまうので、雨が降ったら長靴を利用すべきである。キッチンでは食事をするのだが、食事は給食形式で、一列に並び自分で配膳する。手を洗い、必要なお盆や食器を取り、料理を盛り付ける。料理の量は好きにとることができるが、余るようには作ってないので、節度を持って配膳すれば問題はない。たくさん食べると眠くなってしまい、瞑想に悪影響なので腹八分目にしておこう。キッチンは男女一緒なのであるが、カーテンで仕切られていて見えないようになっている。
(キッチンの建物)
(食堂。料理がある時はここに並んでいるので、自分で配膳する)
精神と時の部屋
瞑想ホールは宿泊施設から数十歩の近さにある。瞑想ホールには、一人一つの座布団が置いてあり、そこに座る。隣の人との間隔は、人一人通る道があるぐらいの距離だ。座布団の他にクッションを使うことができ、複数枚利用して高さを自分の好みに合わせることができる。僕は3枚ぐらい利用させてもらった。また座布などの持ち込みも可能だ。正座を助ける椅子や、座椅子を使っている人もいた(ただし利用には許可が必要である)。帰ってきて思うことは、座布は持っていったほうがいいと思う。クッションは硬さが足りなくて、姿勢が安定しない。座布の硬さは重要で、がっしりしていたほうが座っているときの辛さはない。あと、最初に入った時にやや驚くかもしれないが、指導者が三人、前で高いところに座れる場所がある(初日に瞑想ホールに入ったらすでに座っていて、ちょっとビックリした。白い布で覆われた高い台座なので、やや宗教観が出てしまっている。しかし後で分かることだが、指導者も普段は普通に仕事をしている人である。めっちゃ普通の人である)。ちなみに、瞑想ホールは男女共同になっている。また、講話のときは日本語と英語は別々のところで実施され、英語の人は小さいホールに移動する。こちらは、それ以外の目的で使われることはない。
(精神と時の部屋への入り口)
施設は親切である
これらが参加者が使うことになる施設だ。必要最低限のものは全て揃っており、そこそこ快適である。それぞれの施設が、離れたところにあるので、脱ぎ履きしやすいサンダルなどを利用したほうが良い。また雨の日は長靴は必須だ。長靴も脱ぎ履きしやすい方が良い。僕が持っていった長靴は背の高いもので、脱ぎ履きがしにくかった。なので、施設で長靴を貸してもらった。また傘も予備は置いてあるので、それほど心配する必要はない。ただ、どれも数には限りがあるので、他の参加者のことも考慮して、持っていけるものは持っていったほうが良い。
- 作者: ウィリアム・ハート,日本ヴィパッサナー協会,太田陽太郎
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