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【生活編】10日間のヴィパッサナー瞑想合宿(リトリート)@千葉に行ってきたのだ!

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 ヴィパッサナー瞑想合宿に行ってきたのだが、実際の生活はどうだったのか紹介したい。1日のスケジュールと食事が気になるところだろう。詳しく紹介したい。

下界からの入門

 まずはスケジュールである。到着日は0日目と数えられている。到着日は、17時半までにつく必要がある。バスを使うのであれば、おそらく16時までには到着するだろう。車で参加している人も多かったので、時間には遅れないようにしよう。遅れる場合は連絡する必要がある。到着すると受付をして、貴重品と電子機器を預けることになる。つまり16時に到着すると、次の予定がある18時までは暇である。散歩をしたり、シャワーを浴びたり、施設を回ったりして、暇をつぶそう。この時点で、話をしてはいけない雰囲気は流れており、シーンとしている。しかし、話している人も何人かいたので、まだ沈黙のルールは執行されていないようであった。

 到着日は18時からオリエンテーションがある。施設の諸注意やルールの説明などが行なわれる。それから食事(ここではカレーが出て来る。コースが始まると夕食は17時からとなり、フルーツのみに変わる)を取り、20時頃から瞑想ホールにて瞑想の指導を1時間ほど受ける。ここまでで到着日は終了で、21時には就寝だ。

精神と時の部屋

 次の日からいよいよ瞑想が始まる。ここからは、微妙に違う日があるものの、基本的には同じスケジュールで合宿は進んでいく(別日程になるのは、到着日とヴィパッサナーの日である4日目、慈悲瞑想と完全なる沈黙が解かれる10日目、最終日である。その時は張り紙によるアナウンスがある。鐘もなるのでそれに従えば問題ない。)

  • 4:00 起床
  • 4:30〜6:30 瞑想ホールまたは宿舎で瞑想(6:00〜6:30に詠唱がある)
  • 6:30〜8:00 朝食/休憩(7:15にはキッチンを出る必要がある)
  • 8:00〜9:00 グループ瞑想(瞑想ホールでの瞑想が必須)
  • 9:00〜11:00 瞑想ホールまたは宿舎で瞑想
  • 11:00〜13:00 昼食/休憩(11:45にはキッチンを出る必要がある)
  • 13:00〜14:30 瞑想ホールまたは宿舎で瞑想
  • 14:30〜15:30 グループ瞑想(瞑想ホールでの瞑想が必須)
  • 15:30〜17:00 瞑想ホールまたは宿舎で瞑想
  • 17:00〜18:00 ティータイム(17:30にはキッチンを出る必要がある)
  • 18:00〜19:00 グループ瞑想(瞑想ホールでの瞑想が必須)
  • 19:00〜20:15 講話(時間が伸びることも多い)
  • 20:15〜21:00 瞑想ホールまたは宿舎で瞑想
  • 21:00〜就寝

 スケジュールはこのようになっており、淡々とひたすら瞑想を続けていく。全部の時間、瞑想できると1日10時間を超える。凄まじい時間だ。実際には、グループ瞑想の時間以外はほぼ自由になっており、宿舎で寝ている人も多かった。僕は、眠気が全く襲ってこなかったので、ずっと瞑想ホールにいた(逆にベッドにいると眠気が襲ってきた)。しかしさすがにずっといると疲れていくるので、適当に休憩を取り、散歩などをしていた。

統一

 グループ瞑想のときは1時間瞑想ホールにて瞑想することが必須となっている。ここでは重要な瞑想のアドバイスが行なわれたりすることもあるので、必ず参加した方がいい。また4日の夜以降は、アディッターナという決意の時間となり、瞑想中に全く動いてはいけない。途中で退席している人もいたが、その場合はコースをお世話している人に、後をつけられることになる。特に何かを言われるわけではないが、宿舎で寝たりすると怒られるのだと思う(トイレぐらいであれば特に何も言われなさそうだった)。しかし、皆が動かないことを目的として座っているので、あまり出ていくのは良くないだろうと思う。

人は暇になると何をするのか

 また休み時間が意外と長い。昼食時には昼食を除いても、1時間以上も休みがある。僕はここで30分ほどの昼寝をして、シャワーを浴びていた。シャワーも混む時間帯があるので、空いている時間帯を狙ったほうがいい。一番混んでいたのは、昼ごはんが終わったあとだったように感じる。僕が使っていた時間帯は、誰も使っていなかった。残りの休み時間は、僕はひたすら散歩していた。瞑想中はじっと座っており、休み時間中も宿舎で寝ていると、1日に歩く歩数がとても少なくなってしまう。日本のヴィパッサナー瞑想では歩く瞑想は行なわれないのだが、インドで行なわれるものは歩く瞑想も行なわれるそうである。これは後から聞いたのだが、歩いていてよかったと思った(特に歩く瞑想をしようと思って歩いていたわけではないが、最後の2日間は少し意識していた)。散歩は気分転換にも良いので、瞑想だけやっていて精神的に追い詰められる可能性がある人は、積極的に歩いたほうが良い(実際に、やや精神的につらそうにしている人も多かった。それは歩いてないためも多少影響あるだろうと思う。歩くことはそれほど重要なのだ)。一緒に散歩していたのは5人ぐらいで、後の人は外でのんびりしていたり、宿舎で寝ていたりした。

黙って人の話を聞く

 講話は、じっとひたすらゴエンカ氏の話を聞く。大体は、本に書いてある内容だ。たまに瞑想に役に立つ方法を話していたように思えるが、主な話の内容は瞑想のすばらしさだったり、なぜ瞑想をするのかなどが多かった。話の中で面白かったのは、ブッダの話だった。ブッダの話は、瞑想の実践にも役に立つもので、聞いておいて損はない。ただ、時間の大半は、ゴエンカ氏の例え話だ。この例え話は、例え話である以上、主張の繰り返しであり、冗長だ。ただでさえ長い講話なのに、さらに長い例え話を挟んでくる。もうそれはわかったよ、と思うことは何度かあった。これは、僕が例え話ではなく、直接的な言葉のほうが理解しやすいという特性を持っているからであり、例え話じゃないと理解できない人もいるだろうから、必要なものなのであろう。学校と同じように、バックグラウンドがいろいろある人がいるので、仕方がない。しかし、同じ話ばっかりだったよね、というのは参加者の共通認識だったようだ。ただ、最後の方でゴエンカ氏自身が「私は例え話中毒かもしれないが」と前置きをいれて、それでちょっと愛着が持てた笑。講話については、もう少し書きたいことがあるが長くなるので、後日書くことにする。

それは突然破られる

 10日目は、スケジュールがやや変則的かつ、完全なる沈黙が解かれる。完全なる沈黙は11時から解かれるのであるが、これはスケジュールにはそうかいてあるが、アナウンスはされない笑。なので30分ほど「話していいのだろうか?」と悩むことになる。あとで、コースを世話してくれている人が「話していいですよ」と教えてくれて、話すことになる笑。このときはとても面白かった。あと10日目は休み時間も多く、ほかの参加者と多く話すことが出来る。瞑想体験の話をしたり、世間話をしたりして楽しい時間だった。その後瞑想の時間があるのだが、脳内のおしゃべりが増えることは言うまでもない。

下界へ

 帰宅日は朝の7時半ぐらいで予定されている内容は終了する。朝4時半から講話を聞き(これは参加必須である)、朝ごはんを食べて、オリエンテーションを聞いて終了だ。それから9時頃まで、施設の掃除を手伝って解散する。施設の掃除は任意参加である。しかし、バスの本数が少なく、9時すぎまでは施設に留まるしかないので、掃除のお手伝いをしましょう。車の人は思い思いの時間に帰っていった。またタクシーという選択肢もあるのだが、当日はなぜか予約が殺到しており9時半まで捕まらなかった(僕はバスが嫌いなので、タクシーで帰った)。家についたのは、正午ぐらいだった。このあたりも情報が案内に掲載されておらず、最終日はどうなっているのだろうと頭を悩ますことになるのだが、スケジュール的にはこのような感じだ。住んでる場所にもよるが、正午以降に予定をいれても問題はない。

身体を作る原料

 さて、食事だ。まず気になるのは夕食がないことだろう。これは瞑想のルールにもあったように、正午以降の食事が許されてないためである。ただ、初心者にはつらかろうということで、17時にはティータイムがあり、ここではフルーツが提供される。大体は、りんご半分とバナナ1本である。バナナはオレンジ半分に変わることもあった。あと2日目ぐらいからポップコーンが追加された(添加物が気になるので、僕は食べない)。これは意外となれるもので、僕は気にならなかった。特にこれと言って疲れることもしてないので、それほどお腹が空くわけではない。ただ、帰宅後に体重を測ってみると2キロ減っていたが笑。僕のBMIは19ぐらいなので、それで2キロはそこそこでかい。おそらく、BMIは18.5ぐらいになったのじゃないだろうか。

不殺さずを貫く

 朝食と昼食はご飯であるが、生き物を殺さない・人に殺させないというルールがあるため、ベジタリアンメニューだ。僕はそれほど、肉や魚にこだわりがないため問題はなかった。帰ってきて食べたくなったか?と聞かれれば、どっちでも良いと言う感じだ。これは人によると思う。

味覚について

   さて、ご飯はおいしいのか?僕は「想像していたよりも美味しかった」と答える。もっと質素なものが出てくることを想定していた。ここで1年過ごせるか?と聞かれれば、「別に問題はない(ただ何点か持ち込みたいものがある)」というのが正直な感想である。人によっては、薄味過ぎてダメだったりする人もいるようだ(たしかに薄味だった)。しかし調味料は置いてあり、自由に味をプラスすることが出来る。あとは野菜が嫌いな人は辛いだろう。

献立と調味料

 料理に関しては、10日間献立が決まっているようであった。朝はだいたい、ご飯と味噌汁と浅漬けで、味噌汁と浅漬けは日によって違う。ご飯は玄米・白米・おかゆから選ぶことが出来る(ただ日によっては玄米しかない日もあった)。梅干し(だいぶしょっぱい)・味噌・塩・醤油・ゴマが常備してあり、それらを自由に使うことが出来る。また朝にはパンも置いてあり、トースターで焼いて食べることが出来る。イチゴジャムとマーガリン(バターかもしれない)とオリーブオイルが置いてあり、こちらも自由に使うことが出来る。トースターや、やや混むので少し注意が必要だ。

 昼ご飯は、ご飯と汁物と主菜というメニューだった。夜はパンはない。ご飯の量はお腹いっぱい食べようと思えば、食べれるぐらいの量はあったと思うが、主菜などは十分にはなかったと思うので、他の人に配慮して配膳すべきだ。主菜は、様々な野菜料理だったり、カレーだったり、ダルスープ、トマトソース(このときはパスタも置いてあった。僕は小麦粉がダメなので、ご飯にかけて食べたが美味しかった。ご飯は常備されている)、五目スープ(うどんにかけるスープだった。僕はうどんは食べず、スープだけ飲んだ)だったりした。ご飯はたまに、きのこリゾットや炊き込みご飯やニンジンご飯が出て来る。これは嬉しかった。あとたまにプルーンがおかれており、これがとても美味しい。なぜか人気がなかったのでおかわりしたが、とてもおいしい笑。あと、納豆が出るときもある。面白いことに、おかめ納豆なのだが、中にはいている醤油と辛子は丁寧に取り除かれている。

出来る限りの自然

 納豆の醤油と辛子で気づいたのだが、ヴィパッサナー瞑想の施設にある食べ物などは、科学的な添加物をできるだけ排除するように配慮されている。これはありがたいことであった。提供されている飲み物に入れる砂糖も、白いものではなかった(僕は使わなかったが。砂糖をいっぱい入れて飲むコーヒーが癒やしだった言ってた人もいた。ちょっと危ない)。安心して食事ができることができて、とても嬉しかった(怪しいのはマーガリンとイチゴジャム、ポップコーンあたりであろう)。

現代栄養学から見る

 さて、せっかくなので栄養価について言及しておきたい。栄養に配慮して料理は出せれると案内には書いてあるが、これはやや怪しい。というのも、タンパク質と脂質が少なすぎると感じる。また玄米を主にしているのだが、玄米自体にも賛否両論あるので、ベストとは言い難いのではないかとは思う(ただ玄米は発芽玄米っぽかった。気になる人はだいたいの日に白米もあったので、白米を食べると良い)。タンパク質の補充だが、これは案外難しく、味噌を食べるぐらいしかなかったのではないかと思う。あとは納豆が出たときには必ず食べる。豆腐も積極的に食べるようにする、であろうか。また、脂質は限りなく少ない。朝にパンで、マーガリン(バターかもしれない。マーガリンであれば摂取してはいけない)かオリーブオイルを垂らす人以外は、摂取する機会が殆どないのではないかと思う。なので、ご飯食の人は、オリーブオイルを拝借して、浅漬けなどにかけるのがよろしい。まぁとは言え、体調不良にはならないだろうから、気にしない人は気にしなくても問題ない。好き嫌いせず、バランス良く食べていれば、大きな問題になることはないだろう。もしメニューが変えられるならば、アボカドはどこかで使うと良いと思う。

心配はない

 参加するまでは、本当に4時に起きられるのか?ご飯は大丈夫なのか?という不安がよぎったが、全然問題にはならなかった。特に、僕の心配点だった、小麦を食べなければいけないんじゃないか問題は、常時ご飯があったので、ホッとした。これはとても嬉しかった。いろいろと配慮の多い合宿で、とても親切だなと思った。このあたりに関しても、あまり心配せずに参加できると思う。

ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法

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(講話の内容を先に知りたい人は、この本をよむと良い)

身心変容の科学~瞑想の科学――マインドフルネスの脳科学から、共鳴する身体知まで、瞑想を科学する試み―― (身心変容技法シリーズ1)

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  • 作者: 鎌田東二,永沢哲,齋木潤,藤野正寛,乾敏郎,林紀行,井上ウィマラ,河合俊雄,長谷川千紘,棚次正和,加藤雅裕,安本義正,内田樹,町田宗鳳
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(最近出版された、瞑想全般についての学術書だが、ゴエンカ氏のコースの内容にも詳しい)