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【総論編】10日間のヴィパッサナー瞑想合宿(リトリート)@千葉に行ってきたのだ!

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 ついに、ヴィパッサナー瞑想合宿の連続エントリーも最終章です。最後にズバリ「オススメか?行くべきか?」という質問に答えたいと思う。もちろん色んな人がブログを読んでいるので、一概には「オススメです!」とは言えない。そこで、どんな人にオススメなのか、オススメじゃない人はどういう人なのかを紹介していきたい。

原因を取り除け

 まずは、どのような人にオススメするか。それは、ストレスを抱え込んでいる人である。ストレスを抱え込んでいて、普段の生活で悩みが多く、辛いなぁと思っている人はぜひ行って欲しい。夜になれば一人でも酒を飲み、その日のストレス発散をやっているような人だ。そこまで思い詰めてなくても、なんとなく人生に不安感を感じている人にもオススメだ。人生探しの旅をするよりかは、ヴィパッサナー瞑想合宿に参加するほうが多くを得られるだろう。旅という偶発性に頼ることなく、瞑想という確固たる実践方法を通してより多くのことを知ることが出来る。これには多くの人が該当すると思うので、ほとんど全ての人にこの合宿はオススメだ。効果については、効果編を見て欲しい。またヴィパッサナー瞑想を日常生活で続けることにより、その効果は続く。

見えないものに向かう時、人はだれも孤独

 そのような人達が直面する、参加に当たっての障壁は3つある。情報が少なくて怪しいこと・10日間(実質12日間)の連続した休みが取れないこと・山の中での共同生活が難しいことである。

 情報が少ないことに関しては、このブログでかなり多くを紹介したので、障壁はそれほどないだろうと思う。瞑想については瞑想実践編、施設については施設編、食事や1日のスケジュールなどの生活については生活編を見てもらえれば、かなりイメージが付くだろう。まだ不安な人は、僕にどれだけ質問してくれても良い。

 次に、10日間の連続した休みである。この障壁はとても高いと思う。実際に、参加している人の多くは、転職期間の間の休みを利用して参加していた。職を持った状態で、参加している人は稀であった(職を持っていた人は、IT系のエンジニアかフリーランスなど、働き方に自由度がある人ばかりだった。この時ばかりは自分の職業に感謝した)。

 ただヴィパッサナー瞑想合宿コースには年末年始の日程もある。12月28日〜1月8日の日程となっており、数日間の休みをとるだけで参加できる。家族を持っている人は難しいかと思うが、子供などがいない場合は夫婦などで参加することもオススメする。年末年始旅行に行く人も最近は多いだろうから、その一つの選択肢として考えてみて欲しい(帰ってきてからの夫婦生活の改善は凄まじいものになるだろう)。一方、この日程はとても人気なので、予約は予約開始直後にする必要がある(また寒いので、持ち物には気をつけよう。僕が参加したのは9月だったので、参考になるかわからないが持ち物編を見て欲しい)。

 最後に山の中での共同生活だ。近くで他人が寝ているのが、たまらなく不快な人などは生活ができない。ただ、知らない人とのコミュニケーションに関しては気にする必要はない。話す必要が全く無いのでコミュ障にも安心だ(最後に日には、会話できるようになるが、その頃には会話したくてたまらなくなっていると思う。またしたくなければしなくて良い雰囲気である)。自然の中であることにも言及しておかないといけないだろう。山なので、虫は大量に発生する。虫を見るだけで、もうだめという人には生活が難しいだろう。それ以外は許容範囲内であり、リゾートなどでのんびりとするよりも多くの利を得るので、満足度はきっと高い(虫が無理な人は、リゾートでセルフリトリートを実施すれば良い)。

理性は時に仇となる

 さて、オススメが難しい人に言及する。それは、ロジカルで自我が強い人だ。これは紛れもなく僕なのだ。正直に言って、僕は行って辛かった。瞑想の修行が精神的に辛いという参加者は多い(これは後に大きな実になるので、良い辛さだ)が、僕はそうではない。ロジカルな思考のため、間違っている・怪しいこと・盲目的なことに関して、非常にむかつくのだ。怪しさ編にも書いたとおり、かなり厄介な問題がここでは生じている(これらの怪しさは、僕みたいな人じゃなければ、それほど気にならないので心配しなくて良い。大学で、数学を専攻するぐらいの変人じゃない限りは、当てはまらない。もしくは自分が頑固すぎると思う人はちょっと気をつけたほうがいい)。

 しかし、そのような人達にもぜひ行って欲しいと思っている。怪しさ編を読んでもらって、どこが怪しく感じて、それはなぜ生じているのかを理解していけば、それほど苦痛にはならないだろう。あとは、みんなでパーリー語で宣言する(帰依する)タイミング2回と、瞑想後のゴエンカ氏の詠唱の後の「サードゥー」と3回唱えるのを無視すれば良い。また、やや神秘性をまとっている指導者もボランティアであり、普通の人(普段は普通に仕事をしていると思うと、かなり面白い)であると知っておくこと。このあたりの理解を持っていけば、かなり心穏やかに過ごせる。そのあたりを知らずに行くと、かなりむかつき、途中で帰りたくなると思う。

 僕は知り合いと一緒に参加していたこともあるし、2日目ぐらいには瞑想は科学的であること(そして脳科学でほとんど説明可能という仮説)と、怪しさの本体は文化的背景によるものであることに幸運にも気づいたので、最後まで参加することができた(一番ムカついたのは1日目の夜で、帰りたくなった。宗教色をなくすと言っているのに、そこには信仰があったからだ)。

 残すは、決意の時間(瞑想中に動いてはいけない)を理解するのが、ちょっと難しい。これだけは、我慢すれば見えてくるものがある。理性的理解を体験的理解が超えるタイミングがあるのは、決意の時間を我慢したときだ。客観性を理解するための、荒療治なのだ。なぜ我慢しないといけないかとされるゴエンカ氏の説明も、ややムカつくのであるが、これは瞑想の一種と思って頑張って欲しい(もう少し上手い説明が見つかれば、またブログにて紹介したいと思う)。

再出発

 「もう一度行きたいか?」と尋ねられれば、「何回でも行きたい。休みが取れるなら、20日間や30日間の長期コースに行きたい」と答える。唯一の懸念は、夜の講話の時間が長すぎることであるが、ここは適当に聞き流し、瞑想していれば良いと思っている。4分の1ぐらいは参考になる話であるので、それほど嫌なわけではないし、他の人にとって必要なこともある程度は理解できるので、講話をなくして欲しいという訳ではない(転生輪廻に関してはどうかとおもが)。いろいろあったが、全体を通して、とても満足の行く合宿であり、多くの人がこのヴィパッサナー瞑想合宿の恩恵を受けて欲しいと思っている。もっと間口が開ければ良いと思っているし(たとえば10日の参加というのが絶対であるのかはやや疑問だ。10日ぐらいあったほうがいいのは理解できたが)、科学的な解明がもっと進めば良いと思っている(そのことにより3日などの短い時間で効果が得られればなお良い)。

 知る人ぞ知るヴィパッサナー瞑想合宿の全貌を、赤裸々に明かすという挑戦をしてみた。今まで、多くは語られてこなかったと思うので、これが良いきっかけになってくれればと思う。ヴィパッサナー瞑想合宿は、このままの形でどんどん発展していき、多くの人が参加できるようになれば良いと思う。一方で、もっと社会的に受け入れられるための科学的な活動をし、理性的な解明をしていく必要があると思う。

 最後に、言っておきたいことがある。瞑想は、体験的な理解と、実践がほんとうに重要だ。これは頭で考えて、理性だけでどうにか体験できるレベルの話ではない。いくら野球のルールに詳しく、バットの振るための筋肉の動かし方を知っていても野球選手にはなれないのと同じだ。実践してない解説者や野次馬はたくさんいる。しかし、そうじゃなくて実践者になって欲しい。瞑想は誰にでも開かれている道であり、誰もが歩ける道であり、誰もが恩恵を受けられる道である。皆さんの人生が幸せになることを祈っています。

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