人狼ゲームが面白すぎるので]、どうにか人狼ゲームで遊ぶ理由を探している。そこで、一冊の本を見つけたので紹介したい。その本のタイトルは「人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学」だ。心理学者の丹野宏昭と、アルティメット人狼の主宰である児玉健の共著だ。児玉健はアルティメット人狼の主催者であり、舞台 人狼TLPTのゲームアドバイザーでもある。本の中には人狼TLPTでおなじみのマッドクやメイソン、デイジーなどのキャラクターの名前も登場する。
心理学によって、人狼ゲームを解剖するのがこの本の目的だ。まず、日常生活のコミュニケーションの重要なスキルとして、二つのスキルを紹介している。
- 嘘っぽいと感じさせずにメッセージを伝えること
- 他者の嘘や隠し事に敏感であること
「嘘っぽいと感じさせずにメッセージを伝えること」が重要であることは分かるだろう。例えば、事実を伝える時に、疑われないようにハッキリと伝える必要がある。他人からよく疑われたり、信用されない人はこのスキルが足りていない。浮気を疑われたり、仕事を任されない人は要注意だ。
このスキルは、仕事においてはプレゼンテーションとして練習することも多い。ほかには、ロジカル・シンキングなどもそれに当たるだろう。また、ハッキリとした声で話したり、身振り手振りをするなどのテクニックもその一種だ。これらは、自分の意見・態度を上手に主張するスキルだ。
一方で、「 他者の嘘や隠し事に敏感であること」はどうだろう。これは、日常生活で訓練することが難しい。なぜから、嘘であったことを確認することが難しいからだ。だから、このスキルを身につけている人は珍しい。だから、人狼ゲームをすることで、このスキルが鍛えられるのだ。
人狼ゲームでは、嘘をつかないとゲームが成立しない状況を作ることが出来る。そのため、村人側は嘘を見抜くトレーニングになる。一方で、人狼側も「嘘を」嘘っぽいと感じさせずにメッセージを伝えることの練習にもなる。
人狼ゲームで重要なのは、仲間に真実を伝えて、敵の嘘を見破ることだ。これにはテクニックがある程度はあるのだが、重要なのは自分の意見を上手に主張すること・他者の話をしっかりと聴くことだ。これらの能力は社会的スキル(ソーシャルスキル)と呼ばれており、コミュニケーション心理学においては重要なスキルだと定義されている。人狼ゲームをやることで、この能力が鍛えられるのだ。
人狼ゲームで、社会的スキルを磨くためには振り返りをしよう。振り返りをすることは、ゲームを面白くする要素でもあるので、オススメだ。「あの場面で、あの発言は、信じてしまったよ」と嘘を褒めたり、「なんで、嘘だと気づいたの?」と見破った人の意見を聞いてみたりしよう。また、上手く自分の意見を言えたか、他人の話をちゃんと聞けたかなどを反省してみよう。そうすると、人狼ゲームはより面白くなり、あなたの社会的スキルも向上しているはずだ。
人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学?嘘と説得、コミュニケーショントレーニング
- 作者: 丹野宏昭,児玉健
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2015/07/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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