人狼ゲームで重要なのは、社会的スキル(ソーシャルスキル)だと紹介した。これは、自分の意見を上手に主張するスキルと他者の話をしっかりと聴くスキルだ。ソーシャルスキルを高めると、嘘を見破れたり、嘘っぽいと感じられずに嘘をつくことも出来る様になる。
さて、人狼に勝つためにソーシャルスキルを伸ばすことは重要なのだが、もっと心理学的なテクニックはないのだろうか。「人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学」を参考に紹介していきたい。
認知的負荷が増える
まず、嘘をつく時には、認知的負荷が増加することを覚えておきたい。脳で処理することが増えるため、普段行っている動作にミスが生じやすい。認知的負荷によって自然に出来ることができなくなり、相手には不自然に映る。これが、嘘をつくときにも、見破るときにも覚えておきたいことだ。
認知的負荷が増えるとどうなるか。例えば、話している時に、生じる症状は以下のようなものだ。
- 言い淀みが増える
- 言い間違いが増える
- 沈黙が増える
- 質問に対する返答が遅くなる
- 身振り手振りが減る
これらの症状が出ていたら、嘘をついている可能性が高い。逆に、これらの癖をもってる人は話していても、普通に話していても嘘っぽいと思われている可能性が高いので気をつけよう。
認知的負荷を高める
さて、これを逆手に取って、嘘をついてる人をあぶり出す方法がある。それは、認知的なプレッシャーをかけることだ。名付けて、認知的プレッシャー作戦だ。これは、アルティメット人狼でも行われている作戦だ。
認知的プレッシャーをかけるにはどうしたら良いか。それは、普段やらないようなことを、やることだ。例えば、以下のような作戦が考えられる。
- タメ語作戦:議論時間中はタメ語で話さないといけない。
- 英語禁止作戦:英語は使ってはいけない。
- キャラ作戦:オネエキャラを演じて議論をする。
このように、認知的な負荷を与えることで、人狼はよりボロを出しやすくなる。村人に比べて、考えることが格段に増えるからだ。なので、人狼役は、タメ語をミスったり、英語をいってしまうことが多くなる。そこで、初日の吊る対象を、タメ語を3回言った人と決めておくわけだ。初日に人狼が吊られやすくなる。これが、認知的プレッシャー作戦だ。
一方で、ミスるのを気にしすぎて、話せなくなる人もいる。発言するとボロが出てしまうからだ。この人も、人狼の可能性が高くなる。なので、話してない人には積極的に話しを振る。もしくは、ほとんど話さなかった人を吊る対象にする。
しかし、この作戦にはデメリットも有る。それは役職者も同様に、認知的プレッシャーがかかってしまうことだ。特に、初日などのまだ役職カミングアウトしてない段階だと、なおさら認知的プレッシャーはかかりやすくなっている。このことは注意しておくべきだが、人狼のほうがよりプレッシャーはかかりやすいので有効な作戦だ。
認知的プレッシャーをかけることによって、嘘をついているひとをあぶり出す方法を紹介した。このような作戦を実行すると、人狼ゲームもより楽しくなる。ぜひ、試してみて欲しい。
人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学?嘘と説得、コミュニケーショントレーニング
- 作者: 丹野宏昭,児玉健
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2015/07/31
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