(この記事はCAMPHOR- Advent Calendar 2017の10日目 の記事です。CAMPHOR-は京都のIT学生コミュニティです。学生の方はぜひ遊びに来てください。企業の方は協賛お待ちしております。)
「なんで、そんなに面白い本ばかり読んでるんですか?」と聞かれることがある。「そんなことはない」と思っている。僕としては、まだまだ面白い本はたくさんあると思ってるし、当たり本ばかりを読んでいる自覚はない。もっと面白い本を見つける方法を知りたいなと思ってるし、ハズレ本に時間を割かないようにしたいとも思っている。
それでも、「面白そうな本を読んでいるな」と思われることも多いので、自分なりの本の読み方・選び方を紹介してみる。また本を探すために作った、自作サービスを紹介したい。
面白くない本は読むのを止めよ
まずは、読み方だ。本を買ったら全部読まないと気が済まない人がいるが、それは間違いだ。面白くなければ、読まなくていい。時間は有限なので、バッサリと切り捨てよう。それが、面白い本に出会うための1つ目の方法だ。面白い本だけを読んでいるのではなく、面白くない本を切り捨てているから、面白い本を読む時間があるというだけの話だ。
本を全部読まないなんて、お金がもったいないじゃないか!ごもっともな意見だ。なので、僕はKindle Unlimitedで電子書籍は読み放題にしている。Kindle Unlimitedに本がなければ、図書館で本を借りる。購入する場合は、一度読んでからだ。それでもすぐに読みたい本で図書館で借りるには時間が掛かる本(特に新刊が多い)の場合は、書店で立ち読みして、買うかどうかを決める。ここまでやれば、かなり節約になるはずだ。
翻訳本を選べ
さて、次は本の選び方だ。僕の選定基準の1つ目は、翻訳書であるかどうかだ。これは、日本の作家さんには申し訳ないのだが、翻訳書の方が面白いことが多いことは事実である。なぜから、翻訳をするというコストがかかってもなお、日本に輸入する必要がある本しか、翻訳されないからだ。本のプロフェッショナル達が選定してくれているので、翻訳本の面白さはある程度は担保されていると言えよう。また、翻訳本に関しては、原著のレビューを調べることができる。原著タイトルを調べて、Amazonで探せば、良い。本の良し悪しの情報が、翻訳本には多い。
また、翻訳本はリファレンスがしっかりしている本が多い。そのため本は太くなり、値も張るのだが、そのような本のほうが面白いことが多い。なので、選定基準の2つ目は、リファレンスがしっかりしていることである。日本の作家さんでも、リファレンスがしっかりしていれば、面白い本の可能性が高い。僕は学術書に近い本が好きだ。
「誰」が書いたのかを見よ
選定基準の3つ目は著者の肩書である。本は色んなバックグラウンドをもった人が書いているので、著者の肩書を見ることは大切だ。僕が信用しているのは、大学の教授だ。他にも、サイエンスライターや専門知識のあるブロガーの本は面白い。理論的な本じゃない場合は、実務経験などを見る。逆に肩書がしっかりしていても注意しないといけないのは、大量に本を出している人だ。肩書を担保に、劣化版のパクリ本(たいていは洋書をパクってる)を出しているケースも多い。また前著と同じことの繰り返しになっていることも多い。テレビなどで話題性があって、本を大量に出版している人の本は一冊買えば十分だ。
翻訳本タイトルにはご用心
さて、最後に注意したいことは、本のタイトルだ。特に翻訳本に多いのだが、翻訳タイトルがクソなケースだ。本の内容は面白いのに、タイトルで損をしているケースだ。例えば、以下のような本だ。
- トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法(原著:The Oxygen Advantage)
- 成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則(原著:Rethinking Positive Thinking)
- いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学(原著:Scarcity: Why Having Too Little Means So Much)
- 平均思考は捨てなさい(原著:The End of Average)
このようなタイトルを付けたくなるのは、非常に理解できる。最近、流行った本のタイトルをもじって、キャッチーなコピーにしているのは非常に理解できる。しかし、このようなタイトルにすると、どこにでもあるありふれた本に成り下がってしまう。これらの本は、非常に科学的でおもしろい本だ。タイトルににじみ出る、胡散臭さはいっさい本文中にはない。残念で仕方がない。なので、本はタイトルで判断してはいけない。特に、翻訳本には気をつけよう。著者がつけたタイトルでないことを考慮しよう。
本を見つける場所
最後に、新しい本をどこで見つけてるのか?というと次の5つだ。
- 本屋に週1で通う
- Amazonのニューリリース情報とまもなく発売
- 本の選定&要約サービス「Toppoint」
- Amazonの「欲しいものリスト」ランキング( @osu_honで新着を公開中)
- 「翻訳本サーチα」の最新の翻訳本(自作サービス、GitHub)
これらで、新しい本はある程度カバーできていると思う。特に、翻訳本の新刊だけを探すのは難しいので、自作ツールである最新の翻訳本は重宝している。ぜひ、覗いてみて欲しい。あとは、参考文献を辿ったりしながら古い本は探している。絶版になってる本でも、良い本はあるのだが、そのような本を探し当てるのが難しい。このあたりに知見を持っている人は、ぜひ教えて欲しい。
おまけ(最近面白かった本)
- 作者: パトリック・マキューン,桜田直美
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NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方
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いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則
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おもしろそう
— じぇい@PEAKを生きる (@kasajei) 2017年11月16日
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