「コーヒーを飲むと長生きする」という研究があったりするのだが、「カフェインレス生活で健康になった」私からすると「カフェイン、本当に脳にいいのか?」という疑問が湧いてくる。
短期的には認知能力がアップする
コーヒーのカフェインはBDNFという脳細胞を増やすための物質が増え、認知能力が向上するという実験は存在する[1]。「なんだ脳にいいじゃん。BDNFも出るし!」と思っていたら、どうやら実験は短期的なものらしい。この実験では4日しかカフェインを摂取していない。
長期的には認知能力が下がる
では、長期的な影響はどうなのか。2007年のプサン大学の研究が参考になる[2]。4週間にわたって、カフェインを摂取しながら認知能力を研究者したものだ。
この研究でも短期的には記憶力があがることが確認されている。しかし驚くべきことに、実験が終わるころにはパフォーマンスが落ちていた。カフェインは長期的に悪影響がある、というのがこの研究の結論だ。
神経発生が阻害される
実際に脳細胞を見てみても、海馬の神経発生が減っていた。さらにマサチューセツ工科大学が2009年に追加の実験を行っている[3]。こちらの研究でも、1日ぐらいでは神経発生に悪影響でないが、1週間もすると悪影響が出てくる。
カフェインを取り始めると、神経前駆細胞(ニューロンになる前の細胞)が増える(良いことだ!)。しかし、神経前駆細胞の生存率が低く、ニューロンになり定着しない。神経細胞は増えないのだ。むしろ減っている!
カフェインの睡眠阻害が原因?
神経前駆細胞の生存率が低い原因はあまり良くわからないのだが、カフェインによって神経細胞を定着する為に必要な睡眠の質が悪化するからなのではないかという説がある。体感としても、納得できる説だ。
というわけで「カフェインが神経発生(ニューロンが増えない)を減らすかも?」という、コーヒー好きには悲しいお話でした。ただ、これらの研究はまだマウスでしか確認されていない。しかし、私はデカフェを選びます。デカフェでもコーヒーの健康効果は変わらなかったりするので[4]。最近、ハワイのお土産にいただいたデカフェも美味しいことですし。
今までに減らしてきた分は、クルクミンで補うか・・・。コーヒー大好きでしたしねぇ。