完全無欠コーヒーの作り方を見てもらえば分かるように、コーヒーにグラスフェッドバターとMCTオイル(ブレイン・オクタンオイルまたはカプリル酸)を入れる。なぜ、わざわざ脂肪を入れるのだろうか。
脂肪を一緒に接種するとポリフェノールの吸収が高まる?
そこで、完全無欠コーヒーの生みの親であるデイブ・アスピリーの最新刊「HEAD STRONG」を読んでいたら、なぜコーヒーに脂肪を混ぜるのか?という問に対して、答えていた。
ポリフェノールの大多数は、人体が使えるようにするためにはささやかな助けが必要だ。 そして、その最善の方法は、僕の一番好みの栄養素、脂肪と一緒に摂取することだ。
ポリフェノールは脂肪と一緒に摂取することによって、体内に摂取しやすくなるというわけだ。
ケルセチンの吸収率の研究
実際に、ケルセチンというポリフェノールの吸収率を調べた2004年の研究がある[1]。ケルセチンはタマネギなどに含まれていて、抗炎症作用があるポリフェノールだ(ちなみに、コーヒーに入っているポリフェノールはクロロゲン酸だ)。
どのような研究だったかというと、
- 脂肪がポリフェノールの経口摂取に与える影響を調べたい
- 豚で実験した(マウスでは実証済み[2])
- 血中のケルセチン量を24時間、定期的に測定した
- 食事における脂肪の割合が、3%, 17%, 32%になる3種類用意した
ポリフェノールの吸収率が高かった
定期的に血中を調べた結果、3%の脂肪が含まれている食事よりも、17%, 32%の脂肪が含まれている食事のほうが、ケルセチンの血中濃度が高かったのだ。つまり、ポリフェノールは脂肪と一緒に摂取したほうが、吸収率が高い。30〜50%も違うのだ!
血中濃度がどのような変化をしたのかを見てみると
- 3%の脂肪食は、102.9分でケルセチンの血中濃度が最大になり、0.518μmol/Lだった
- 17%の脂肪食は、70分でケルセチンの血中濃度が最大になり、0.583μmol/Lだった
- 32%の脂肪食は、51.4分でケルセチンの血中濃度が最大になり、0.563μmol/Lだった
脂肪が多くなるほど、短時間で血中濃度が上がっており、しかもその最大値も高い事がわかる。
ポリフェノールが体内に留まる
また、血中濃度を24時間調べていったところ、3%の脂肪食に比べて、17%, 32%の脂肪食のほうが、血中のケルセチン濃度が低下していく時間が長かった。つまり、長くケルセチンが体内に留まってくれている。
以上のことから、ポリフェノールは脂肪と一緒に接種するほうが、体内に摂取されやすくなり、長時間留まってくれそうだ。
コーヒーのクロロゲン酸ではどうか?
気になる点としては以下だ。
- 豚での実験なので、人間ではどうか?
- コーヒーのポリフェノールであるクロロゲン酸ではどうか?
この研究からは、この二点はわからなかったが、ポリフェノールと脂肪の相性が良さそうなことはわかった。ポリフェノールを接種する時は、脂肪にも気をつけて摂取しようと思う。野菜に入ってるカロテノイドというポリフェノールも、脂肪と一緒に接種すると吸収率が高まるので。
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