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ネガティブな人ほど左脳の海馬が小さい - 気分と脳の大きさの関係性の科学

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 脳は感情や意識などを司っている人間にとって重要な臓器だ。脳科学はfMRIなどの計測機械の発達によって、近年急速に研究が進んでいる。

 また、最近ではうつ病などの精神病患者の数が増えてきており、脳との関係を調べることが重要な話題となっている。

前頭辺縁系

 さて、前頭辺縁系という脳部位がある。前頭辺縁系は、扁桃体や海馬などを含む脳部位の総称だ。扁桃体はストレス感情を司っており、海馬は記憶を司っている脳部位だ。これらは近くに存在しており、お互いに影響を及ぼし合っている。これらの活動があわさって日常の気分などを感じたりしている。

 以前からの研究でうつ病の患者は、前頭辺縁系の灰質の量が少ないことがわかってた。特に左脳の海馬が小さかったのだ。他にも、トラウマを持っている人や統合失調症の人は、同様に左脳の海馬が小さいことがわかってた。

健常者の左脳の海馬

 そこで、健常者では脳の灰質の量によって気分などに変化があるのか?という研究が発表されていた[1]。健常者の状態で、灰質の量と気分などに相関が見られれば、うつ病の早期発見やうつ病にならないための方法が発見できるかも知れない。

 健康的な42人(男女34歳前後)を集めた研究で、fMRIを使って脳の活動と気分や反芻思考との相関を調べた論文だ。かなり長くから続いている研究で、被験者が6歳のときから脳活動と気分など情報を集めてきたらしい。

 で、わかったこととしては、ネガティブな思考をしている人・反芻思考を多くしている人ほど、左脳の海馬の灰質が小さいことだった。うつ病の患者では相関がわかっていたことが、健常者でもわかったという結果になった。左脳の海馬の灰質の量は、沈んだ気分と相関があるのだ。

運動をして、脳細胞を増やそう

 なぜそうなるのか?どうしたら改善できるのか?などはまだわかってないようだ。現状では、脳部位の灰質の量と気分(ポジティブ/ネガティブ)の相関がわかっただけである。ただ、運動をしたり、瞑想をしたりして、BDNFという脳細胞を増やす脳内物質を放出し、脳細胞を増やすのが良いだろう

 運動すれば、ポジティブになるよ!ということは、心理学的によく知られていることなので、運動と左脳の海馬の関係性が脳科学液に明らかになれば良いですなぁ。

 

脳を鍛えるには運動しかない!  最新科学でわかった脳細胞の増やし方

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