OKRという言葉をよく聞くようになった。ベンチャー企業が、目標管理の方法として、導入し始めているようだ。OKRを有名にしたのは、Googleだろう。Googleは創業まもなくからOKRを目標管理手法として導入して、成功している。そこで、OKRについて詳しく知ろうと思い、OKRの本を読んだので紹介したい。一部がストーリーになっていて面白く読みやすく、二部が実践的なOKRの導入方法になっていて実用的だ。
OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
- 作者: クリスティーナ・ウォドキー,及川卓也(解説),二木夢子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: 単行本
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元祖はIntel?
歴史的には、Intelが元祖のようだ。その頃は、OKRという言葉で使わられていたかは定かではない。IntelのCEOであったアンドリュー・S・グローブが書いた本「High Output Management」にその片鱗がある。GoogleはIntelから、OKRを学んだようだ。
OKRとは
さて、OKRとはなんだろうか。これは、2つの言葉が合わさった言葉だ。
- O ( Objective ) : 目標
- KR ( Key Result ) : 主要結果
この、OとKRを定めることによって、目標を管理しようという方法だ。
ぱっと聞くと、そんなの当たり前じゃんと思うだろう。多くの職場で行われているマネージメント方法と何が違うのだろうか。
目標に集中せよ
ここで、「High Output Management」からOを紐解いて見ると、Oに当たる部分は「Where do I want to go?(我々はどこに向かいたいのか)」と言っている。
重要な仕事を見定める
つまり、目標といっても、”目の前のやらなければいけないこと”に注目するのではなく、”世界がどうあるべきか”や”成し遂げたいこと”を目標として置くのだ。
多くの企業は目先の売上を上げようと眼の前の仕事に躍起になり、”大いなる目的”を達成できない。それが企業が失敗する理由であると言う。アイゼンパワーのマトリックスにおいて、重要度の高い仕事を進められないのが常なのである。
数は絞る
また、OKRはできるだけ少ないほうが望ましいと考えれえいる。あれもこれもやるのではなく、重要なことにのみフォーカスする。二兎を追う者は一兎をも得ず。目標管理においても、価値観をはっきりとさせ、一兎を集中して追い求める手法がORKだ。
ワクワクする
さて、まずOを決める。Oはそれを見るだけで毎日ワクワクするような定性的なものにしよう。またOKRは社員全員に共有するものなので、Oは誰が見ても共感できるようなものにしたい。
ミッションのフォーマットなどが役に立つだろう。このようなものだ。「私達は[価値提案]によって、[市場]における[問題点を取り除きます / 生活を向上させます]。
指標は計測でき、ストレッチ目標で定める
次にKRだ。「High Output Management」では、「How will I pace myself to see if I am getting theres?(目的に達成するにはどうしたらよいか?)」と問われる。Oを達成するためには、どのようにすればよいだろうか、を考える。
計測とストレッチ目標
KRはOとは違い、定量的なものが良いとされている。KRは計測し、振り返りをしやすくするために設定するからだ。また、その数値はストレッチ目標になるように作る。ストレッチ目標とは、その目標が達成できるかどうかが五分五分であるようなものだ。簡単には達成できないような目標を設定することが重要だ。
KRはOに対して、3つ
また、KRはOに対して、3つぐらい作るのが定番のようだ。これも多すぎてはいけない。見るべき指標が多くなってくると、思考が分散され、それらに集中できなくなってしまうからだ。
OKRの振り返り
OKRは3ヶ月ごとに策定するのが定番のようだ。KRも3ヶ月後に達成したい数字にしよう。また、OKRの運用としては、毎週OKRに従って仕事を進められているのか? を確認するミーティングを行うことも重要だ。OKRを毎週確認することで、自分たちがどこに進んでいるのか? 目的地に向かっているのか? をしっかりと確認する。
組織全体で重要な仕事に取り組む
OKRは、目先の仕事ではなく、重要な成し遂げたいことに集中せよを実現するための目標管理手法だ。アイゼンパワーのマトリックスを知っていても、それを実行するのは難しい。ましてや、組織全体が実行するとなると、なおのことだ。その問題を解決するのがOKRだ。
個人でも使ってみようOKR
OKRは個人の目標管理にも使える。自分の価値観を知り、価値観からOを導き出すのだ。日常の雑多に惑わされることなく、本当に自分が集中したいことを目的とするのだ。
そこから導かれるKRはなんだろうか。我々が日々行動する中で、重要なのはそのKRを達成することだ。多くの情報が氾濫して、”自分”が見失われがちな現代においては、ORKのような目標管理手法は、個人にも役に立つだろう。
OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
- 作者: クリスティーナ・ウォドキー,及川卓也(解説),二木夢子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/03/15
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