「価値観を持つと不安が情熱に変わる」と紹介した。「価値観を持て!」と言われても、またそんな漠然としたことを・・・と途方に暮れる人も多いだろう。僕だってそうだ。未だに、「価値観」というものが何なのか、はっきりとはわかっていない。
もう少し簡単に「価値観」を現実に落とし込むと、「好きなことを発見し、それに注力する」ということだろう。他の人やメディアなどに惑わされず、己の道を進んでいくのだ。
価値観を発見する2つの方法
パレオさんの新著「最高の体調」では、価値観を発見する方法が2つ紹介されている。価値評定スケールとパーソナルプロジェクト分析だ。前者がトップダウン的なアプローチで、後者がボトムアップ的なアプローチになっている。僕はどちらも実践してみた。
最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)
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価値評価スケール
まずは価値評価スケール。人生における12個のジャンルにおいて、自分の価値観を見つけていく方法だ。それぞれのジャンルにおいて、自分の理想的な姿を書いていく。ジャンルは次のようなものだ。
12個のジャンル
家族 / 結婚・恋愛 / 子育て / 友人・対人関係 / キャリア・仕事 / 自己成長 / 余暇・レジャー / スピリチュアリティ / コミュニティ・社会生活 / 健康 / 環境 / 芸術
理想的な姿
理想的な姿を書いたら、まずはそれぞれの項目の重要度を10点満点で採点する。僕だったら、「自己成長」「健康」「芸術」などが重要度の高い項目として、挙げられる。
一致度
次に、過去一ヶ月の行動を振り返り、理想像としてかいた価値観とどれぐらい一致した行動が取れているかを10点満点で採点する。僕だったら「健康」はそこそこ理想的な行動を取れているが、「自己成長」「芸術」は理想的な行動にはまだまだほど遠いと言った具合だ。
注力する価値観は?
重要かつ一致度が低いものが、注力して取り組むべき価値観になる。僕だったら「健康はそこそこ十分になってきているので、次は自己成長に時間を使いなさいよ」ということである。価値評価スケールを行うことで、自分の価値観と現在の行動のズレを認識し、進むべき道がわかるのだ。
理想像とは?
しかし、この方法の難しいところは、まず理想像がありきである、ということだ。価値観を探す方法なのに、価値観があることが前提になっているような方法なのだ。実際にやってみて、理想像を書くところがすごく難しいように感じた。
パーソナルプロジェクト分析
次に、パーソナルプロジェクト分析(PPA)だ。パーソナルプロジェクト分析では、まずは自分の現在行っているプロジェクトを一覧化する。プロジェクトはだいたい15個ぐらい書き出すことができるようだ。
プロジェクトを書き出す
僕だったら「仕事をする」「技術(プログラミング)を学ぶ」「ブログを書く」「英語を勉強する」「健康になる」「能力の最大化のための研究をする」「人狼ゲーム・ボードゲームで遊ぶ」「投資する」「読書する」「恋活・婚活する」「自然と触れ合う」とかになる。
プロジェクトを採点する
これらのプロジェクトを並べて、13項目で10点満点の採点する。項目は、重要性 / 簡単さ / 透明性 / 管理性 / 責任 / 時間適正 / 成功率 / 自己同一性 / 進捗状況 / やりがい度 / 没頭度 / 支持レベル / 自立性 だ。
上位分析をする
採点した結果、上位の5つのプロジェクトが自分にとって重要なプロジェクトとなる。さて、上位5つのプロジェクトが決まったら、次はプロジェクトの上位分析を行う。
例えば、「読書をする」目的はなにか?と考える。僕にとっては、「能力を最大化する」ためだったり、「新しい知識を得る」ためだったりする。このようにプロジェクトの上位の目的を考えていく。
これもなかなか難しい。いろいろ苦悩して考えて、やってみた結果、今のところ僕にとっては「能力を最大化する」「知識を手に入れ、実行する」「新しい発見をし、伝える」というプロジェクトが大切であるということがわかった。「PEAKを生きる - 科学の力で、能力を最大化するブログ」の著者である僕にとてってはぴったりな結果だろう笑。
今のまま進めばいい?
やってみた結果、思ったのは「今の自分に近いことが、重要な価値観となった」ということだ。ポジティブに考えれば「このまま突っ走って良い!」ということになるが、ネガティブに考えると「今の自分を肯定したいだけでは?」という気もしてくる(なんと心配性なことでしょう)。
ただ、重要なことは、大切な価値観を浮き彫りにし、必要のないプロジェクトの優先度を下げることである。やることを決めることも大切だが「あぁこんなことに時間を取られているのかぁ」と気づくことも重要である。いろんなことに目移りしがちな現代なので、これ!と自分の価値観を決めておくことは良いことだ。
価値観を見つけよう
価値観を見つけるための手法を「最高の体調」から紹介した。どちらの手法も1〜2時間ほどは時間がかかるので、時間のある休日にぜひやってみてほしい。この手法(特に後者のパーソナルプロジェクト分析)はOKRのOであるObjective(目標)を決めるためにも有効だろう。個人のOKRを作るときには、ぜひ参考にしてほしい。
ちなみに、パーソナルプロジェクト分析に関しては、本の内容とは少し違ったバージョンがパレオな男のブログで公開されている
実際にやってみて、価値観なんてそう簡単に見つかるもんでもないかもな、と思った。本の中でも、継続的に見直していくことが重要と書かれているので、また振り返ってみたい。OKRの運用を参考に3ヶ月に一回見直したりしてみても良いだろう。
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