アルコールは健康に良くないことが知られている。しかし、赤ワインは別だ。研究によると、アルツハイマーやパーキンソンなどの認知症の予防に効果がある[1]。これはフレンチ・パラドックスなどとも呼ばれ、なぜ赤ワインが健康に良いのか?は謎だった。
腸内細菌は赤ワインがお好き?
近年の研究で、腸内細菌が健康に大きく寄与している事がわかってきている[2]。腸内フローラやマイクロバイオームという言葉をよく聞くようになったのは、このためだ。
赤ワインの健康効果に関しては、ポリフェノール(特に赤ワインに含まれているものはレスベラトロールである)が重要だと考えられてきた。抗酸化作用を持つ物質として有名だ。しかし、現在の研究ではレスベラトロールはマウスには効果があっても、ヒトに対しては効果があるとは言い切れない状態である。
しかし、腸内細菌が赤ワインの健康効果に重要な役割を果たしているのではないか?という研究がでた[3]。腸内細菌によって代謝されたときに出る赤ワインの成分が、ストレス下にある神経細胞が死亡するのを守るのだ。
赤ワイン好きには、嬉しい限りの研究だ。もちろん飲み過ぎは良くないが、1〜2杯の赤ワインであれば、健康効果の方が上回るかもしれない。
グルメな腸内細菌
ただし、腸内細菌は個人差が激しい。海藻を消化できるのは日本人だけである、という事実をご存知だろうか。腸に飼っている細菌には、地域差がある。さらには、個人差がある。ヨーグルトが効果がある人がいる、一方で全く効かない人もいる。ヨーグルトの効果がなかったのは、僕だ。一方で、ビオスリーHi錠の効果は抜群だった。
赤ワインに関しても、腸内細菌が上手く代謝して、神経細胞の死から守ってくれるとは限らない。自分の腸内にいる細菌に依存するからだ。
百薬の長になれるのか赤ワイン
それでも、これほど健康効果が高いとされる研究があるお酒は、赤ワイン以外にはない。百薬の長の名を挽回するチャンスがあるのは、赤ワインぐらいだ。
どんな腸内細菌を自分が保持しているのかを、調べる術はまだない。腸内細菌の情報量はDNAの100倍以上とも言われている。やっと遺伝子が調査が終わったのに、その100倍もの情報量のあるフロンティアが広がっていて、研究者も大忙し。
健康効果を願いながら、近所のワインセラーで買った赤ワインを飲みつつ、この記事を書いている。自分の腸内細菌が調べられるようになるまでは、赤ワインは積極的に飲んでいきたい。
おまけ
赤ワインの健康効果など、腸内細菌をテーマにした健康本「ダイエットの科学」。健康になりたい人の必読書
- 作者: ティム・スペクター,熊谷玲美
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 2017/04/28
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腸内細菌を整えることは、風邪の予防に効果が絶大です
赤ワインもおすすめですが、ヨーグルトやキムチなどもおすすめです