マインドフルネスという言葉とともに、瞑想が日本に逆輸入されている。最近では、日本でも生産性の向上を目的に、さまざまな企業が導入している(凸版印刷、リクルート、DeNAなどなど)。社員の健康を向上させ、生産性を上げることは重要なのだ。マインドフルネスを始め、睡眠の質の向上など、健康を向上させ生産性アップを目的とした企業向けのプログラムを実施している会社も増えてきた。
瞑想の科学的研究
マインドフルネスブームのきっかけになったのは、Googleのサーチ・インサイド・ユアセルフというマインドフルネスプログラムだ。このプログラムにより、Googleでの生産性が20%向上したという報告がある。
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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また瞑想についての研究は科学的にも進んでいる。瞑想によって得られる効果は多岐にわたる。
- テロメアの減少を食い止め(アンチエイジング!)
- 免疫力の向上
- 睡眠の質の向上
- ストレス低下
- 集中力の増加
どれも魅力的な内容ばかりだ。そんな魅力的な瞑想なのだが、すぐに効果を実感するのは難しい。瞑想に関しては、かなり昔から知っていたのだが、実践しては飽きてしまい、継続することが難しかった。
デジタルデバイス
自分の科学的な知識が増え、瞑想のメリットを知れば知るほど「継続して瞑想を行おう!」と思えるようになったのがちょうど1年前だった。それでも、昔と同様に飽きてしまうかもしれない。そこで、救世主となったのがMuseという脳波を測りながら瞑想できるデバイスだった。マインドフルネス三種の神器としてもブログで紹介している。
このMuseというデバイスを使い瞑想を始めた。そして、ちょうど1年がたった。とても嬉しかった。
習慣としての瞑想
Museのアプリでは継続日数(LONGEST STREAK)を測ってくれるところがとても良い。1日でも忘れると、0リセットされるので「これをなんとか維持したい」という欲求が生まれる。
また瞑想を習慣化するために、習慣化のテクニックを使った。「朝起きて、歯を磨いたら、瞑想を1分以上しない限りは、ほかのことをしてはならない」というルールを作った。瞑想は20分することを目標にしていたが、毎日20分の時間を確保するのは難しい。それが足かせになって、習慣が崩れるのはもったいない。1分という時間であれば、必ず確保することが出来る。どんなに忙しくても、歯を磨かないことはないでしょう? 瞑想を必須な習慣にしたかった。
朝バタバタして、時間が取れない日もあった。3分や5分で止めてしまう日もあった。それでも多くの日は、20分瞑想に時間を取ることができた。また科学的知識が増えれば増えるほど、その優先順位は上がっていた。
効果を探る
さて、気になるのは「効果を実感しているか?」だろう。正直なことを言うと、自分のことなので、よくわからない。自分の変化というのは、なかなか客観視しづらい。調子が良い日もあれば、調子の悪い日もある。それが、何の影響で起こっているのかを正確に知ることは難しい。自分自身で、ランダム比較化実験ができればよいが、そうはいかない。
それでも改善してるかもなぁと思ったことは、脳がクリアになったことだろう。1年前はもうちょっとドロドロしていたよなぁと感じる。「霧がかかったような」とも表現するらしい。この現象は、もちろん食事にも影響されてるので、その改善の効果も大きいだろう。それでも科学的な研究が教えてくれているように、瞑想もその一助になっていると考えている。たしかに意志力は強くなり、集中力は上がったように感じる。知的好奇心は増え、本を読み漁るようになったのもこの1年だ。この1年の成長を支えてくれたのは、瞑想だったんじゃないかと思う。
因果関係を調べるのは難しいし、それを実感することも難しい。たいていは統計学的な処理によって効果を測定するものであるから、被験者の中には全く瞑想の効果がない人もいるだろう。また効果を主観的なものとしてとらえるのはとても難しい。特に瞑想は、実践が意識的なので、食事などと違い、疑いが持たれやすいという特性もある。それにより、ブラシーボも出にくいだろう。
リンディ効果
瞑想の歴史は長い。手法としては、すぐには理解しづらい厄介な方法である。それでも、数千年を超えて現代まで伝わっている方法なので、全く意味がないということはないだろう(リンディ効果)。瞑想の熟練者(7年ほど)は、研究でのスコアが高いので、気長に実践していくしかないのでしょうな。短期の効果がわかりやすい実験としては、8週間20分の瞑想で、脳の灰白質が増えたという研究があるので、脳のスキャンしておいたら良かったなぁと思いつつ、今に至る。瞑想による効果が見えやすくなるような世界が来て欲しい。Museはその一歩ではあるので、オススメ。
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
- 作者: チャディー・メン・タン,ダニエル・ゴールマン(序文),一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート,柴田裕之
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