幸せに生きたい。誰もが一度は考えることだ。理想と現実のギャップに悩まされている人もいるだろう。「あの時こうしておけば・・・」と過去がトラウマになっていることもある。しかし、そのトラウマの存在を否定し、「今を生きよ」と教えてくれるのはアドラーだ。マインドフルネスの考え方が浸透してきている今、再びアドラー心理学が注目を浴びている。
嫌われる勇気でアドラーの名前は広く知れ渡るようになった。対話形式で書かれていて、読みやすい本だ。ドラマにもなった人気作品だ。僕はアドラーについて詳しく知りたいと思い「アドラー心理学入門」を読んだ。嫌われる勇気の著者の一人である岸見さんの本だ。
- 作者: 岸見一郎
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目標を設定して生きている
人は原因ではなく、目標で生きている。
人は原因によって後ろから押されて生きているのではなく、目標を設定しそれを追求する、と考えるのです。
原因があって今があるのではなく、目標があって今がある。その目標の達成のために、過去の解釈が与えられるのだ。
過去は素材だ。過去は未来への道を作らないし、後押しもしない。未来に向けて、あなたが解釈を与えて道を作るだ。
トラウマは存在しない
アドラーはトラウマは必ずしもトラウマである必要はない、と考えています。アドラーはいかなる経験もそれ自身では成功の、あるいは失敗の原因ではなく経験からショックを受けることもない、私たちは経験によって決定されるのではなく経験に与えた意味によって自分を決めるのである、といっています。
アドラーはトラウマの存在を否定する。トラウマは現在の目標のために、自ら作り出した解釈だ。過去の出来事に対して、意味を与えるのは現在の自分だ。過去があって、現在があるのではない。現在の目的のために、過去を解釈するのだ。素材をどう調理するかは、あなたの自由なのだ。
自由に生きる
アドラーは他人の期待に答えて生きていると、他人の人生を歩んでしまうと警告をくれる。
他の人からどう思われているかを気にすると非常に不自由な生き方を強いられることになります。絶えず人に合わせていかなければならないからです。
人生の意味は自分で決める
ではどうやって生きたらいいのか?
一般的な人生の意味はない。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ
それは、自分で決めるのだ。答えはない。あなたに選ぶ権利がある。行きたい道は、自分で作るのだ。
アドラー心理学の幸福論
アドラー心理学はフロイト心理学の対をなす考え方だ。フロイトは原因があり、それが現在の心理状態を作っていると主張する。一方でアドラーは、現在の心理状態を作っているのは、それによる目的達成のためだと主張する。
アドラーの解釈は、直感に反するが、現実的だ。なぜなら、過去は消すことはできないからだ。トラウマを見つける必要はなく、現在の目的に対応すれば良い。目的を理解し、過去の解釈を変えるのだ。素材を組みかえて、行きたい場所へ続く道を作る権利は、あなたにある。その権利は過去にはない。
そして、現代ではマインドフルネスという「今を生きる」ための手段も科学的に研究されている。
幸せに生きるには、アドラーの考え方を学ぶと良い。原因論が主流な現代において、目的論も理解することは大切だ。
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