「この人、嘘ついてるのでは?」と日常生活においても、他人の嘘に気づくことがあるだろう。人狼ゲームをやっている人であれば、なお敏感に感じているだろう。しかし、人間はどうやって「嘘っぽい」と判断しているのだろか。心理学から見えてきた、3つの特徴を紹介したい。「人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学」を参考にした。
- あいまいさが高い
- 立証可能性と生起頻度が低い
- 冗長である
この3つが、人に「嘘っぽく」感じられる要素だ。それぞれ見ていこう。
あいまいさ
まずは、あいまいさだ。あいまいさが高いほど、嘘っぽく感じられてしまう。例えば「あなたは村人ですか?」という質問に対する答えを考えてみよう。「村人です」とハッキリ答えると真実っぽく聞こえる。嘘っぽく聞こえるのは「村人かもしれないし」などと言うことだ。表現があいまいになることで嘘っぽさが感じられる。
ほかにも、「昨日何してたの?」という質問に対しての答えを考えてみよう。
- 19時から2時間、友達の田中と二人で鳥貴族で飲んでたよ
- 夜に、友達と飲んでたよ
- 知り合いと遊んでた
後半の答えになるにつれて、どんどんあいまいな答えになっている。特に、具体的な質問に対して曖昧な答えを返すと嘘っぽく聞こえる。「知り合いと遊んでいた」に対して、「何の関係?」と聞き返されたとしよう。その時に「だから知り合いだって!」と曖昧性を残したまま答えると、なにか隠したいことがあるのではないかと疑われてしまうのだ。具体的に答えるほど、真実っぽく聞こえるので「大学の友達の田中だよ」と答えた方がいい。
立証可能性と生起頻度が低い
これは、立証可能性に関連している。立証可能性とは、その話の内容の真偽が立証できるかどうかだ。例えば、「田中と飲んでいた」という話は、立証可能性が高い。なぜなら、田中に聞けば、その真偽がわかるからだ。しかし、「知り合いと飲んでいた」だけだと、立証可能性が低くなってしまう。さらに「一人で飲んでいた」となると、かなり立証可能性が低くなってしまう。嘘をつく時には、立証可能性に気をつけよう。立証可能性を高くすると、裏を取られるリスクは増大するが、信じてもらいやすくなる。
また、生起頻度にも気をつけなければいけない。これは、その話の内容が、どれぐらいの頻度で起きるか?ということだ。よく起きることを理由にしたほうが、納得してもらいやすい。珍しいことを理由にすると、なかなか信じてもらえなくなる。例えば、「今日はなんで遅刻したの?」の質問に対して「緊急の仕事の連絡が入って、対応していた」とかであると、起こりうるかも知れない。一方で、「トランプ大統領から、電話が入った」みたいな嘘をつくと、そんなこと起こらないだろうと思われ、嘘を疑われてしまう。自分にとって、その理由が起こりやすいかどうかを考えてみよう。
冗長
最後に、嘘っぽく感じられるのは話が冗長であることだ。長々と理由を話したり、無駄な前置きが長いと嘘っぽく感じられてしまう。「村人ですか?」の質問に対して、「前回のゲームでも村人だったし、ゲームの札の数を考えると村人になる可能性も高いし、役職はないから全然緊張してないから、村人だと思って欲しいな」と答えてしまうと、嘘っぽく聞こえてしまう。嘘だと思われないためには、必要な情報を論理的に的確に伝えることを心がけよう。
以上、話が嘘っぽく感じられてしまう話し方を見てきた。信じてもらいたい時は、より具体的に的確に短く伝えることを心がけよう。人狼ゲームにおいても、役に立つので、覚えておこう!
アルティメット人狼を見ていても、嘘っぽい話し方をしている人が分かるだろう。ぜひ上記を当てはめて探してみて欲しい。
人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学?嘘と説得、コミュニケーショントレーニング
- 作者: 丹野宏昭,児玉健
- 出版社/メーカー: 新曜社
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